枝も葉も 失った木は ひどく寂しく見えるだろう 真っすぐに上を目指すその姿勢も 大地に力強く張った根にも 誰かが注目することはない 皆が見るのは 独りで立つその寂しさと 枝を切った痛々しい傷口だけ 独りでも生きれるのだと 妥協を許さなかった男の姿は きっと そんな木よりも寂しく 儚い 夢と向上心だけあればいいのか? いや それと同じくらい大切で 捨てられないものがあったはずだ 「俺は幸せだ」という言葉を 聞いてくれる人が側にいないのは やはり「幸せ」とは呼ばないだろう
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